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林 郁

代表取締役 兼
社長執行役員グループCEO

CEO Comment Vol.54 『平成24年6月期決算サマリーと新中期3カ年計画ダイジェスト』

 本日の臨時取締役会で承認の上、平成24年6月期決算短信(PDF)を公表しました。また、ハイブリッドソリューションセグメントの事業エンジンとしてDGの決済事業を担う「イーコンテクストカンパニー」の分社化と、グローバルな視点で決済サービスおよびeコマース関連事業を推進する香港子会社の設立も決議いたしました。これらの背景や狙いを新中期3カ年計画と合わせて説明したいと思います。

I. 平成24年6月期決算ハイライト

17期は期初計画を上回り過去最高益を達成
前期決算は、DGのビジネスモデルの根幹を形成するEnabling Platform(広告/マーケティング)であるハイブリッド・ソリューション事業が牽引するとともに、ベンチャー・インキュベーション事業において、海外株式を中心とする株式Exit が実現し、大幅な増収増益を達成いたしました。

グローバルに機能する技術開発体制構築に着手
米国法人New Contextの設立とグローバル・アジャイル開発ネットワークを構築し、技術開発ヘッドクォーターを米サンフランシスコに設置しました。来年早々の正式オープンに向けて準備しているインキュベーションセンターと合わせて、DGグループのインキュベーションエコシステムの源泉として機能し、シリコンバレー発の優良案件をアジア市場へとつなぐ「インキュベーションストリーム」の骨格が完成しました。
(以下に3つの拠点をつなぐチャートを御覧下さい)

Enabling Platformの強化
ベリトランス社のDGグループ入りにより、日本最大級の決済事業プラットフォームを実現しました。コンビニ決済から始まってサービスに強いイーコンテクストと、クレジットカード決済から始まって物販に強いベリトランスは、この領域において市場を拡大する上で高い親和性を発揮します。(詳細は前回のCEOコメントをご覧ください)

II. イーコンテクストの分社化と香港決済子会社の設立

今回香港に設立する決済事業子会社「econtext Asia Limited」は、DGグループのビジネスモデルを支える決済事業のグローバル展開に向けたヘッドクォーターとなります。この会社を核として、ベリトランスと今回分社化するイーコンテクストが、それぞれ日本市場で培ってきた決済事業のノウハウと最先端の決済テクノロジーを結集し、それぞれの国や地域の商習慣に合わせてカスタマイズした決済プラットフォームをアジア地域から展開していきます。すでにベリトランスは、インドネシアに決済事業の合弁会社を設立しており、9月にも本格的にサービスを開始する予定です。また、アジアの有望なスタートアップ企業を決済サービスの提供を通じて発掘し、アーリーステージにおける投資を行なっていく体制も整備します。新セグメントであるペイメントセグメントが本拠地とする香港HQからの新たな展開にご注目下さい。(こうしたグローバル展開に合わせて、新たに「インキュベーション」「マーケティング」「ペイメント」に事業セグメントを以下のように再設定しました。)

III. 中期3か年計画

~Lean Global~ 中期EBITDA目標:100億円(年率50%成長)
こうした新たな展開を踏まえ、新中期3カ年計画におけるDGグループの事業コンセプトを「Lean Global」に決定しました。

Lean Globalの要となるキーワードは「3極体制」です。これまでDGは、本社機能のある東京と、年内にもオープンするインキュベーションセンターとアジャイルなソフトウエア開発支援を手がける米国子会社New Contextがあるサンフランシスコの2つの拠点で事業を展開してきました。決済事業子会社を香港に設置する今後は、「東京」「サンフランシスコ」「香港」の3拠点をそれぞれ事業ごとのヘッドクォーターとし、クイックに経営判断を行なっていきます。これらの拠点が連携することで、「投資育成」「技術・事業支援」「収益化」から成るDGのビジネスモデルをLeanかつGlobalに展開していくことを主眼にしています。

今期はこうしたグローバル展開に向けた準備段階と位置づけます。投資収益を保守的に見ていること、New Contextのアジャイル開発ネットワーク構築費用や、ベリトランスをはじめM&Aによるのれんの償却費を計上することから、最高益だった前期と比較すると横ばいに見えますが、EBITDAは、前期比30%以上の成長を見込んでいます。

また、来期からは国際会計基準(IFRS)に移行していく予定ですので、今中期計画からはEBITDA(税引前利益に支払い利息と減価償却費を加算した指標)を経営基準に置きたいと思います。具体的にはEBITDAにおいて今後3年間で年率50%成長、3年後100億円を目標に設定し、それぞれのヘッドクォーターが連携してこれを達成して参ります。DGはこれからも次世代に向けた新しいコンテクストを3つのヘッドクォーターで創造していきます。

9月28日と29日に東京・恵比寿で「NEW CONTEXT CONFERENCE 2012 TOKYO」を開催します。今回は「オープン・イノベーションから生まれる次世代インターネットビジネスの胎動 〜スマートフォンの先に見える未来〜」と題して、国内外のオピニオンリーダーを招き、「インターネット・デバイス」と「eコマース」の観点から、Lean Globalについて来場者の皆さんとディスカッションしたいと考えています。また、2013年春には、サンフランシスコにオープンするインキュベーションセンターで「NEW CONTEXT CONFERENCE 2013 SAN FRANCISCO」を開催する予定です。

株主・投資家の皆様には、引き続きご指導・ご支援を頂けますようお願い申し上げます。


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