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林 郁

代表取締役 兼
社長執行役員グループCEO

CEO Comment Vol.69 『2020.3月期第2四半期決算サマリー〔IFRS〕(連結)』

 本日の取締役会での承認の上、2020年3月期第2四半期決算短信〔IFRS〕(連結)PDFを発表いたしました。以下、第2四半期決算サマリーとなります。

全体概要

 2020年3月期第2四半期連結累計期間の収益は、19,596百万円(前年同期比7.5%増)、税引前四半期利益7,326百万円(同1.0%減)となりました。第1四半期同様、第2四半期累計期間においても為替相場変動による連結業績に与える影響額が約19億円となり減益決算となりました。為替変動による影響額を除けば、税引前四半期利益は前期比20%強の増益と分析しています。また、第1四半期の税引前四半期利益2,218百万円、第2四半期の税引前四半期利益は5,108百万円と第2四半期において成長が加速しています。リカーリング事業であるFT(フィナンシャルテクノロジー事業)、MT(マーケティングテクノロジー事業)の市場を上回る成長に加え、IT(インキュベーションテクノロジー事業)の公正価値評価益の拡大、さらにカカクコムの持分法投資利益が寄与しています。

事業セグメント別概況

 FT(フィナンシャルテクノロジー事業)は、第2四半期累計期間の収益4,287百万円(前年同期比19.9%増)、税引前四半期利益2,173百万円(同27.5%増)と高成長が持続しています。当セグメントのKPIである決済取扱高は、前年同期比21%増の1.2兆円、特に注力中の対面決済の取扱高は、同2.0倍の1,068億円と全体を牽引しています。また、決済取扱件数も同20%増の2.2億件と大幅な伸びが続いており、事業特性であるスケール拡大による収益性の改善も相まって大幅な増益を記録することができました。

 DGは、マルチQRコード決済ソリューション「クラウドペイ 」を提供開始しました。クラウドペイは、d払い®、Alipay、WeChat Pay、メルペイ、LINE Payなどの主要QRコード決済サービスに加え、香港のAlipayHK、韓国のKakaopayのバーコード決済サービスへの対応も進めています。クラウドペイは複数の決済を一つのバーコードにまとめ、その加盟店は決済機器の新たな導入なくワンストップでの契約が可能です。小売店の決済・経理業務を大幅に効率化することができるオールインワン決済サービスです。DGグループは、2020年の東京オリンピック、2025年の大阪万博をはじめとしたインバウンド需要に対応するばかりでなく、日本のキャッシュレス社会実現に向け貢献してまいります。

 MT(マーケティングテクノロジー事業)は、収益7,360百万円(同14.2%増)、税引前四半期利益1,004百万円(同50.2%増)と増収大幅増益となりました。当セグメントの強みであるFT事業と連動した決済アプリ開発事業やクライアントのポイントモール運営事業等が好調に推移し、主力のデジタルアド事業においても収益性向上を企図した戦略が奏功しています。また、持分法適用会社の株式会社サイバー・バズ(2019年9月東証マザーズ上場)のInstagram、FacebookなどSNSを活用した独自のインフルエンサーマーケティング事業の成長も寄与しています。

 IT(インキュベーションテクノロジー事業)は、収益3,969百万円(同17.1%減)、税引前四半期利益3,284百万円(同21.9%減)と減収減益となりました。円高による保有有価証券の公正価値評価額の減額インパクトが約14億円発生したことが主要因となります。一方で、為替変動を除く公正価値評価額は、前年同期比で約23億円拡大しグローバルな投資先の価値上昇は持続しています。グループの保有する営業投資有価証券残高は、33,114百万円と前年度末比24%(6,419百万円)増加しております。

 世界中の有望な企業の発掘や事業支援を行うインキュベーション事業では、DG Daiwa Venturesが、次世代技術を有するグローバルのスタートアップ企業に向けた「DG Lab2号ファンド」を組成し、100億円を超える第1次募集を完了しました。DG Labが研究開発を推進する「ブロックチェーン」、「AI」、「VR/AR」、「セキュリティ」、「バイオヘルス」の5つの重点分野を投資対象領域とし、国内外の有力なスタートアップ企業への投資インキュベーションを実行していきます。

 LTI(ロングタームインキュベーション事業)は、収益3,928百万円(同21.0%増)、税引前四半期利益2,426百万円(同29.4%増)と好調に推移致しました。持分法適用会社である株式会社カカクコムの業績が、食べログ事業に加え、新興メディア・ソリューション/ファイナンス事業において好調に推移しました。

 2019年1月に金融分野として初めて内閣府の規制のサンドボックスの認定を取得したCrypto Garageは、規制のサンドボックスのもと、国内主要暗号資産取引所と共にブロックチェーン上での実資産を用いたP2Pの同時交換取引の実証実験を重ねてきています。信用リスク(カウンターパーティーリスク)を排除しつつ迅速で安全、かつ、秘匿性の高い暗号資産の取引を実現するものです。同社が提供するP2P金融決済基盤となる2つのプロダクトのうち、P2Pの同時交換取引を実現する「SETTLENET」商用版のグローバル展開を2020年上期に開始する予定です。

 また、もう一方のプロダクトである、ビットコイン決済の暗号資産デリバティブ取引を実現する「P2P derivatives」の研究開発も順調に進行しています。2019年9月には、英国Skew社とアメリカ株の主要な株価指数S&P500インデックスに連動したビットコイン建てのオプション取引を締結・実行し、技術検証を完了しました。グローバルメディアでも記事として取り上げられ、暗号資産業界を中心に注目を集めています。

【Crypto Garage紹介動画】
https://vimeo.com/323398805/b8100e34d3

【参照記事】
https://www.coindeskjapan.com/24200/

 クリプトカレンシーの業界では、世界的なカンファレンスでもDG Lab、Crypto Garageは注目を集め、サンフランシスコにあるインキュベーションセンターDG717はクリプト業界の情報交換・発信拠点として認知され始めているように強く感じます。

 7年目を迎えるDG717では、Designing with Data: From Cells to SpaceをテーマにNEW CONTEXT CONFERENCEを開催しました。NEW CONTEXT CONFERENCEの前日には、鯉が激流の滝を登って龍になる姿と同じく、アジア発のITベンチャーが次々に成長していくその「登龍門」とすべく、日本を代表する画家である加山又造氏の龍の天井画をDG717に設置し、在サンフランシスコ日本国領事館の方々にもご参列頂き、加山家のご家族や日蓮宗の総本山身延山久遠寺のご協力のもと、オープニングセレモニーを実施しました。

 デジタルガレージは、2020年に設立25周年を迎えます。世の中の役に立つ「コンテクスト」を創る会社として、リカーリング事業(FT/MTセグメント)とLTI事業(カカクコムグループ)の安定成長を基盤とし、精力的にDG Lab、クリプトガレージによる次世代技術領域に対する研究・事業開発を進めて行きます。

 株主を含むステークホルダーの皆様におかれましては、より一層のご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い致します。


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