デジタルガレージ、Chief Architect Joi Itoを中核にweb3時代の「Digital Architecture Lab」を始動

〜テクノロジーの進化がもたらす次世代の社会構造を設計し、実装を推進する〜

 株式会社デジタルガレージ(東証プライム 4819、本社:東京都渋谷区、代表取締役 兼 社長執行役員グループCEO:林 郁、以下:DG)は、取締役 兼 専務執行役員Chief Architectである伊藤 穰一(Joi Ito)を中核に、新たな研究組織として「Digital Architecture Lab(以下:DA Lab)」を設立したことをお知らせします。

 Webの誕生から約30年、DGグループは、日本初の個人ホームページの開設など誰でも情報を“read”できるWeb1.0、Twitter社の日本展開など誰もが簡単に情報を“write”し発信できるWeb2.0の時代を通じて、“コンテクスト”を創っていく会社としてテクノロジーの発展に伴走し、社会のデジタル変革に併せてさまざまなサービスを展開してきました。

 現代社会は、気候変動、金融不況、格差社会、利便性とプライバシーのバランスなど、分野を超えた横断的な課題に直面しています。複雑で急激に変化する世の中の動きに対応するには従来のアプローチでは不十分であり、ステークホルダーが互いに連携し、コンテクストの変化に適応していくためのアーキテクチャの転換が必要です。DA Labは、変化する世の中の状況に主体的に取り組み、グローバルな視点を持ち、人間の包括性、分散性、持続性、多様性という価値観や デジタル時代の感受性を重んじ、新しいアーキテクチャを構築していきます。

<DA Labの活動目的>
1.新時代を拓くデジタルアーキテクチャの構築
2.持続可能で循環型の技術開発モデルを導入し、ウェルビーイングの実現
3.包括的、多様的、分散的なコミュニティ形成

■現在進行中のプロジェクト
 DA Labは、産官学の連携を通じて、次世代技術の研究開発、スタートアップや大手企業との協業、コミュニティ構築、行政改革支援、メディアを通じた情報発信、DG事業との連携などを通じ、社会的なインパクトを醸成し、誰もが参加できる創造的な変革を実現します。

・Probabilistic Computing
 DGは、MIT(マサチューセッツ工科大学)の脳・認知科学研究から生まれた、人工知能の新しいアプローチである「Probabilistic Computing*1」の研究・学習を支援してきました。この技術は合成データを用いてプライバシーを保護しながらデータを共有・分析することができます。Probabilistic Computingのプロジェクトチームとともに、集団的知性とウェルビーイングを向上させるアプリケーションを開発・提供していく予定です。

・web3とArchitecture
 さまざまな組織や機関と連携し、web3の概念に沿ったアーキテクチャを構築します。web3領域のテクノロジーを理解し各産業での実装を考えるワークショップの開催や、パートナー企業との技術開発やシステム開発を通じて、今の時代の組織やエコシステムのデジタルトランスフォーメーションを促進します。

 加えて、ブロックチェーン技術を使った組織の透明性や相互互換性を高める活動や、ステークホルダーの自主的な参加を促す分散型モデルを形成するためにDAO(分散型自律組織)の組成やトークンエコノミーの確立を模索します。

・メディアとコミュニティ
 DA Labはコミュニケーションを大切にしており、web3コミュニティのネットワーク拠点として、DGビル(東京都渋谷区恵比寿)内に「Crypto Cafe & Bar」を開設します。また、最先端のインターネット技術やその周辺で生まれるビジネスに関するグローバルカンファレンス「THE NEW CONTEXT CONFERENCE」の開催やソーシャルメディアなどの 啓発活動を通じて、新たなテクノロジーとその社会的インパクトに関する情報を共有していきます。 さらに、ブロックチェーン技術を活用した次世代ビジネスを支援する「onlab web3」プログラムとの連携により、web3時代のグローバルコミュニティを構築します。

・デザインフィロソフィー

 世界的なデザイン事務所であるPentagramのGiorgia Lupi氏が率いるチームとともに、DA Labの理念を体現したデザインを制作しました。
 DA Labのロゴは25個の「soft pixel(四角形)」で構成されており、一見ランダムに見えますが、インパクトを与えるために構造化され組織化された活動を想起させます。soft pixelの凹凸のカーブは暖かさ、親しみやすさ、ヒューマニズムといった感情を体現しています。一体感のあるグラデーションを作りながらも、個別の色合いを持たせることや、同じ形でも別々の動きをさせることで、1つのアーキテクチャを作り上げるとともに、それぞれの個性を現しています。今後、soft pixelは、DA Labが開始するブランディング・プロジェクトにも使用されます。
 また「soft pixel」を誰でも作成できるよう、Pentagramと協力しアルゴリズムの生成プログラムを設計し、公開していきます。

 これらのプロジェクトに関連するアップデートや、各分野のグローバルリーダーとの議論の様子などは、以下のメディアを通じて発信していきます。
 ・Digital Architecture Lab公式ウェブサイト
 ・Joi Ito’s Podcast – 変革への道(Podcast番組。毎週月曜更新)
 ・Joichi Ito YouTube Channel (YoutTube公式チャンネル)

■Digital Architecture Labアドバイザー(順不同、敬称略)
 ・國領 二郎(慶應義塾大学総合政策学部教授:デジタル庁Web3.0研究会座長)
 ・村井 純(慶應義塾大学教授 / 内閣官房参与)
 ・スプツニ子!(アーティスト / 東京藝術大学デザイン科准教授)
 ※今後、アドバイザーは順次参画する予定です。

■アドバイザーからのコメント
 國領 二郎 氏
 web3などの新しい技術がもたらすデジタル社会の新しい姿とアーキテクチャを設計・実装する研究に参加できることにワクワクしています。全ての人の主体性が生きる社会を作れたら嬉しく思います。

 村井 純 氏
 COVID-19や深刻な国際紛争などの歴史的な出来事を経験した今こそ、インターネットが提供するグローバルなデジタル空間を前提として行動し、私たちの未来の為に新しい研究を始める時です。
 このような研究は、影響が及ぶ社会のあらゆる分野を視野としてとらえ、その専門性を取り込み、新しいデジタルシステムとデジタルデータのアーキテクチャに焦点を当てる研究体系である必要があります。Digital Architecture Lab.の研究活動にアドバイザーとして関わり、将来のビジョンを共有できることを楽しみにしています。
 
 スプツニ子! 氏
 web3は、これからの経済や資産価値・契約、さらには芸術の未来にも大きな変化を起こすでしょう。Digital Architecture Labがこの社会変革の大きな一翼を担っていくことを期待しています。

■DG共同創業者からのコメント
 伊藤 穰一
 私たちは、気候的、地政学的、経済的、技術的な危機が重なり合い、歴史上他に類を見ないほど不安定な状況にいます。しかしこの状況の中にこそ、制度や考え方を変革するチャンスがあります。現在、日本とweb3は歴史の次の章の方向性を決める重要な役割を担っています。プロジェクトに果敢に取り組み、霧のような現状から、思い描く明るい世界へと業界と社会を導いていきたいと考えています。ぜひ、私たちと一緒によりよい社会を築いていきましょう。

 林 郁
 DGは2016年、いち早くオープンイノベーション型の研究開発組織「DG Lab」を設立し、ブロックチェーンなどさまざまな研究開発と社会実装を行なってきました。web3の幕開けとともに、DGはDigital Architecture Labを新たに立ち上げます。その中核には、昨年14年ぶりに拠点を日本に戻し、アカデミアや行政サイドと連携し新しいプロジェクトを推進している共同創業者の伊藤 穰一が担います。半歩先ではなく一歩先のテクノロジーの社会実験を通じて、日本初・産官学の新しい連携で、次世代を担う“アーキテクチャ”の創造と実装を行い、社会に貢献して参ります。

■「DA Lab」に関する人材募集について
 DA Labでは、一緒にこれからの未来を作る仲間を募集しています。ご興味のある方は、こちらをご覧ください。
 https://recruit.garage.co.jp/fintech/

*1: Probabilistic Computingとは、人間の脳に近い思考モデルで安全で拡張性を持つプログラムのこと。プライバシーの保護をしながらデータ分析・計算が可能。


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