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CEO Comment Volume 68,

2019.3月期決算サマリー

【IFRS適用初年度の税引前利益は前期比60%増の134億円と過去最高益を更新】

I. 2019.3月期決算(IFRS)サマリーと国際財務報告基準(IFRS)任意適用の背景

 昨日の業績上方修正の発表に続き、本日の取締役会での承認の上、2019.3期決算短信(IFRS)(PDF)を発表しました。以下が2019.3期決算サマリーとなります。

 2019.3期の収益は、前期比39.9%増の356億円、税引前利益は同60.3%増の134億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同52.4%増の98億円と過去最高の利益を計上することができました。当期の収益は、すべての事業が二桁以上の増収を確保し、FT/MT事業を中心とするリカーリング型事業は前期比25%増収となりました。利益面ではIT/LTI事業における保有有価証券の公正価値が拡大し大幅な増益を達成することができました。

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<2019.3月期決算 国際財務報告基準(IFRS)任意適用の背景>
 2019.3期の連結財務諸表から、国際財務報告基準(IFRS)を任意適用しました。前2018.3期と2019.3期の連結決算においてIFRSを適用し開示しています。IFRS適用の背景と目的は、主としてリカーリング事業であるMT(マーケティングテクノロジー事業)、FT(フィナンシャルテクノロジー事業)における収益実態を正確に反映させること、IT(インキュベーションテクノロジー事業)の投資先企業の持ち分価値を公正価値評価により適切に表示し、ひいては、DGの企業価値評価における重要な指針を表明することにあります。

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II. 事業セグメント別概況

 FT(フィナンシャルテクノロジー事業)は、前期比12.9%増収、税引前利益は同13.0%増の3,174百万円となりました。決済取扱高は、前期比34%増の2.1兆円、決済取扱件数は同33%増の3.9億件と拡大が継続しています。戦略領域である非EC決済/対面決済は、同約3倍と急伸しセグメント全体の成長を牽引しています。

 MT(マーケティングテクノロジー事業)は、前期比37.6%増収、税引前利益は25.1%減と増収減益決算。主力の広告取扱高は不動産領域に加え、好調な金融業界向けが増収。一方で、今後成長が期待されるナショナルクライアント向けコンサルティング力の強化、ブランディング広告や動画広告向けの先行投資により減益となりました。

 IT(インキュベーションテクノロジー事業)は、収益前期比3.1倍の80億円、税引前利益は同5.2倍の68億円と業績全体を牽引しました。IFRS特有の金融商品評価(投資先の株式評価)における公正価値評価額が前期に比べ大幅に拡大しました。特にアジア圏を中心とした投資先の企業価値の大幅な増大に起因しています。また国内のバイオヘルス領域での戦略投資先であるWelby(東証マザーズ 4438)も4月1日にIPOを果たし、来期での当社企業価値への反映が見込まれます。

 LTI(ロングタームインキュベーション事業)は、前期比13.2%増収、税引前利益は43億円と20.9%税引前利益の増益となりました。持分法適用関連会社のカカクコムの業績も、食べログのTV広告費による期初予算外の追加費用があったものの、ほぼ予算通りの営業利益に着地し順調にセグメント業績に貢献しています。

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<2020年3月期の連結業績予想(IFRS)の非開示に伴う、KPIと経営指針の設定>
 2020年3月期の連結業績予想については、IT事業における保有有価証券評価がIFRSによる公正価値評価額となり、期末時点の公正価値を見積もることが困難であるため、非開示とさせていただきました。しかしながら中期経営計画目標に依拠し、リカーリング事業(FT/MT)においては15%の利益成長を目指します。また、IT事業においても、ROI(投資回収倍率)2.5倍をハードルレートとした投資回収を図り保有有価証券の価値増大を進めていきます。

 以下KPIに関する説明のスライドです。

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III. 当期における各事業セグメントのハイライト

 以下に当期の主要プロジェクトと事業ハイライトをご説明します。

<キャッシュレス社会の拡大を追い風に>
 国内有数の決済サービスを手がけるフィナンシャルテクノロジー事業は、EC市場の順調な成長に加え、急拡大するキャッシュレス社会を追い風に、多様な決済手段を一元提供するマルチ決済サービスの拡充と、公金領域等の非EC市場でのシェア拡大を着実に進めています。

 ベリトランスは2018年11月にPOS国内外シェア1位の東芝テックと、POSシステムユーザー向けに、マルチ決済ソリューションを展開する合弁会社「TDペイメント株式会社」を設立しました(プレスリリース)。TDペイメントは、インバウンド顧客の増加などに伴い多様化するキャッシュレス決済に関する導入ニーズに対して、ソリューションのスピーディーな提供を行います。第1弾として、東芝テックのPOSシステムを現在利用している事業者を対象に、セキュリティ強化の為にクレジットカード情報の非保持化や、「LINE Pay」「d払い」など国内の各種QR/バーコード決済、インバウンド顧客向けのQR/バーコード決済、各種電子マネー決済といった、様々な決済手段が簡易に導入できるマルチ決済ソリューションを提供します。

 公金領域ではイーコンテクストが2018年に、QRコードによる国税のコンビニ収納業務を受託しました。これに伴いイーコンテクストは2019年1月4日に、国税庁に対するファミリーマート、ローソン、ミニストップでのコンビニ決済サービスの提供を始めました。また、ベリトランスは、特許庁が2019年4月1日より開始した、特許料等手数料のクレジットカード納付制度に対応し、クレジットカード決済サービスの提供を始めています。

 今後も社会インフラに成長した決済サービスの担い手として公金領域への決済ソリューションの提供を通じ、行政機関の各種収納業務の効率化と国民の納付利便性の向上を支援するとともに、さらなるサービス領域の拡大を通じ、安心・安全で便利なキャッシュレス社会の実現に引き続き貢献していきます。

<決済とマーケティングを融合>
 DGのリカーリング事業を支える両輪であるフィナンシャルテクノロジー事業とマーケティングテクノロジー事業、双方の領域を組み合わせることで相乗効果を狙う成長戦略も実を結び始めました。その象徴といえるのが、2019年3月に発表した、九州旅客鉄道株式会社(JR九州)へのCRM・決済プラットフォームの提供です(プレスリリース)。JR九州のポイント制度である「JRキューポ」を起点とし、ユーザーとJR九州グループのエンゲージメントを高めることを目的としたスマホアプリを開発しました。このアプリには、ユーザーが買い物や食事の際に手軽に「JRキューポ」を活用できるよう、DGがこれまで提供してきたマーケティング機能とベリトランスが提供するキャッシュレス決済機能を統合し、QR/バーコードでのポイント付与、還元機能やクーポン提供、QR/バーコード決済機能などを搭載し、 2019年中にリリースする予定です。今後は、このCRM・決済プラットフォームをさまざまな事業者に提供することを通じて、決済事業とマーケティング事業を横断した事業開発を継続し、DGグループの新たな収益の柱とすることを目指します。

<ブロックチェーンによる金融改革を主導>
 近未来にフィナンシャルテクノロジー事業の新たな柱となり得る新規事業の開発も着実に進んでいます。ブロックチェーン金融サービスの開発を目的に、東京短資、Blockstream社と合弁で設立したCrypto Garageは、2019年1月に金融分野第1号となる内閣府「規制のサンドボックス制度」の認定を取得しました(プレスリリース)。Crypto Garageは本サンドボックス制度のもと、円建てトークンを発行し暗号資産と同時交換する決済サービスの実証実験を、複数の事業パートナーの協力を得て開始しています。

 また、4月にはビットコイン決済の仮想通貨デリバティブ取引を実現するP2Pプロトコル「P2P derivatives」を発表しました(プレスリリース)。本プロトコルによって、取引当事者間のカウンターパーティーリスクを解消するとともに、契約コストを低減することで、より多くのプレイヤーが仮想通貨のデリバティブ取引に参画できるようになります。仮想通貨の市場はこれまで投機目的で運用されることがほとんどでしたが、最近になって、Squareやグローバル金融機関などがビットコインの積極的な利用方針を打ち出しています。今回開発したプロトコルの実装によりリスク管理の手段を提供し、仮想通貨市場の安定化に貢献することで、Crypto Garageが国際取引などにおける決済手段としてのビットコインの利用拡大を牽引できると確信しています。

 以下がCrypto Garageのコンセプト映像です。

<収穫期を迎える新興国と日米への戦略的投資>
 世界中の有望なスタートアップ企業の発掘や事業支援を行うインキュベーションテクノロジー事業については、ここ5年ほど力を入れてきたアジア地域について、いくつかの投資先が大きく成長し投資回収の時期を迎えつつあります。中でも、インドネシアにおける配車サービス最大手のGO-JEK Groupは、同国でも有数のユニコーン企業に成長しました(関連記事)。インド最大手の自動車売買オンラインマーケットプレイスを運営するdroomや、ベトナムでC2C、B2C向けマーケットプレイスの運営等を展開するSendoも、DGグループが出資した時点から大きく事業を伸ばしています。

 DGが得意とする日本での事業支援を視野に入れた、シリコンバレーでの投資活動も活性化しています。2019年3月に、電動スクーターのライドシェアリングサービス大手のLimeに出資したほか、農産物の生産者とレストランなどを結ぶマーケットプレイスを手がけるGrubMarketにリードインベスターとして出資しました。

 日本の投資先にも、Open Network Labの卒業チームで新しいパーソナルモビリティを開発し世界に提供するWHILL、DG Labとの連携が期待できるAI分野では、エッジコンピューティングの技術力に定評のあるIdeinや電力小売プラットフォームを提供するパネイルといった、次世代を担うスタートアップが増えています。今後も、有望な海外スタートアップへの投資と日本・アジア展開支援や、日本のスタートアップのグローバル展開支援に向け、北米と日本、アジア、欧州をつなぐグローバルインキュベーションストリームをより強固なものにしていきます。

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<日本初の育成プログラムのエコシステムの拡充:専門領域・エリア特化へと展開>
 世界を目指す起業家の育成を目的に2010年から運営し、日本有数のシードアクセラレータ・プログラムとして認知されるようになった「Open Network Lab」を、特定の分野や地域に特化して展開する取り組みも加速しています。クラウドコンピューティングや5Gネットワーク、IoT、ブロックチェーンといったプラットフォーム技術を活用することで、これまでオープンイノベーションを進めにくかった業界や地域でも、スタートアップと大手企業を巻き込んだエコシステムの構築が容易になったことが背景にあります。

 領域特化型プログラムとして不動産関連スタートアップを対象に2018年11月に開始した「Open Network Lab Resi-Tech」は、3ヶ月間の育成期間を経て、第1期の参加チームがその成果を投資先や事業パートナーにアピールするデモデイを7月に迎えます。本プログラムは、国内大手不動産、建設、ライフライン企業とコンソーシアムを結成し、9社のパートナーとともに運営しています。本プログラムを通じて、IoTの集積としての住宅・不動産サービス、生活サービスを手がける有望なResi-Techスタートアップを輩出していく予定です。

 領域特化型では、前期に立ち上げた、バイオテクノロジーとヘルスケア領域でのスタートアップ育成とオープンイノベーションの推進を目的とした「Open Network Lab BioHealth」についても、大手製薬メーカーや医療関連企業などから引き続き高い関心を集めています。2019年1月にデモデイを行った第1期に続き、より内容を拡充した第2期プログラムの準備に着手しています。

 初めての地域特化型プログラムとして前期に実施した「Open Network Lab Hokkaido」についても、DGと北海道新聞との合弁会社であるD2 Garageが中心となり、第2期の募集を行いました。第1期の実績を踏まえ、一次産業や観光、豊かな自然など北海道の資産を生かした事業を手がけるスタートアップを中心に参加チームを選ぶ予定です。今後も、他の日本の主要都市と連携しながら、地域活性化を目的とした地域特化型のスタートアップ育成プログラムを立ち上げていく予定です。

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<バイオヘルス分野で2つの戦略パートナーと連携>
 「デジタル」に次ぐ新たなキーワードとして注目を集める「バイオ」に関しては、2つの戦略パートナーとの連携を軸に、新規事業の開発を進めています。

 1社は、血糖値や血圧、食事内容などのデータを記録するアプリを通じて、個人の健康管理をサポートする事業を手がけるWelbyです。DGは、WelbyのサービスをPHR(personal health record)のゲートウエイと位置づけ、全国の地方自治体、国保・健保、医療機関、製薬会社、健康関連事業者などとPHRを連携させることで、個人を中心とした健康・医療情報のビッグデータを活用したプラットフォームを構築していきます(プレスリリース)。

 バイオヘルス分野におけるもう1社の戦略パートナーは、2017年に業務提携を行ったPureTech Health社です。同社は、DGがインターネット分野でこれまで手がけてきたハンズオンによるスタートアップ支援を、ノーベル賞受賞者を含む有力アドバイザーの協力を得てバイオテクノロジー分野で行ってきました。PureTech Health社の傘下には、有望なスタートアップが多数ありますが、中でもDGは、薬剤の代わりにデジタル技術で疾病を治療するいわゆるデジタル治療(DTx: Digital Therapeutics)の分野で成果を挙げているAkili Interactive Labs社との連携を強化しています(関連記事)。DGは今後、業界をリードするコンソーシアムの立ち上げなどを通じて、日本におけるDTxの認知度向上を行い、Akili Interactive Labs社と共に新たな市場を開拓していく予定です。

■関連記事
デジタルセラピューティクス(DTx)の衝撃を日本にも」 DG Lab Haus

<グループ横断型のデータサイエンス事業を本格始動>
 DGグループを横断する独自データを活用したデータサイエンス事業を本格始動させていきます。データサイエンス事業を本格始動させるべく、日本を代表する2名のデータサイエンティストが相次いでプロジェクトに参画しました。このうち一人は、データサイエンス事業を手がけるBI.Garageの取締役として、コンテンツメディア価値研究会と密接に連携しながら新たな広告プラットフォームの開発に携わります。もう一人は、チーフ・データ・オフィサーとして、戦略パートナーと連携したオープンイノベーションを推進しながら、DG Labの注力分野であるブロックチェーンやバイオヘルス、AIチームが持つデータや次世代技術を横断し、広告のみならずさまざまな領域でデータサイエンスに基づく新事業の創出を担います。

 データ関連では、GAFAに代表されるプラットフォーマーによって顕在化した、個人情報のマーケティング利用に関する問題についても、マーケティング事業を手がける一企業としてその改善を業界全体に働きかけていきます。ユーザーや企業にとって、有益な個人情報の活用を可能にするデータエコシステムをどう構築すべきかについて掘り下げるために、「How to build a Data Ecosystem」というテーマのもと、DGの共同創業者でMITメディアラボ所長を務める伊藤 穰一がホストとなり「THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2019 TOKYO」を6月に開催して議論を深めます。

 DGは来年、設立25周年を迎えます。日本と海外、マーケティングとテクノロジー、現在と将来をどのようにつないでいくかという課題に取り組み、世の中の役に立つ「コンテクスト」を創っていく会社として、デジタルガレージを創業しました。以来、デジタルガレージは常にインターネットの波打ち際を走りながら、「日本初」のプロジェクトに取り組んできました。デジタルガレージの歴史は、日本のインターネットの歴史であると自負しています。今後も、DG Labを実証実験の場にしながら、最先端の技術動向を的確に把握し、次のステージに向けて邁進していく所存です。

 株主を含むステークホルダーの皆様におかれましては、より一層のご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い致します。

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